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1月15日までの読書記録(雑誌以外)

12月中旬から今までの記録です。詩集や詩の世界に関する本がほとんどです。こんな時期は今までになかったように思います。

○山村暮鳥詩集
 山村暮鳥 思潮社 現代詩文庫 1991-05
 「聖三稜玻璃」の世界と「雲」の世界の差はどこから来るのだろう。
 彼は何と戦い続けたのだろう。
 暮鳥にとっての信仰と詩の関係を考えさせられる。
 とことん自分の生き様の中から信仰を捉えようとしているのではないのだろうか。
 暮鳥にとっての「無限」は自然内部ある無限ではないのか。
 東洋的世界観の中でのキリスト教受容の問題がよこたわっていると言えるのではないか。
 東洋的世界の中に安らぎを見いだしているように思えるのだが...。

○埋もれ詩の焰ら
 江間章子 講談社 1985-10
 左川ちか、饒正太郎、伊東昌子の若くして逝ったモダニズムの詩人を著者との接点をきっかけとして紹介していく。詩を評するのではなく、著者からの鎮魂の書と言えるのではとも思う。かつて日本に存在しきらめいたモダニズムの詩人たち。
同時に著者は「あとがき」において、「のちに『第二次大戦』とよばれるこの時代、外国の詩人たちの多くは、自分たちの國への侵略者に対して、ファシストに対して、生命をかけた抵抗《レジスタンス》戦線に身をおいた。」とも書いている。

○詩歌の近代
 岡井隆 岩波書店 1999-03
 歌人として、日本語の世界を背景に詩歌の近代を語る。
 印象に残ったのは、訳詩における宗教(信仰)の問題を取り上げていること。
 吉岡実の「僧侶」に関する個所では
 「圧倒的にキリスト教が生み出した文化記号が利用されている。利用されているということは、この東洋の発展途上国にとって、心のどこかを表現するための〈技術〉として、(ちょうど科学技術のように)キリスト教文化があったということなのだろうか。」と記している。
 第二次大戦期における詩歌への再検討を語る個所では、著者の方向性が気にかかる。

○注解する者 岡井隆詩集
 岡井隆 思潮社 2009-07
 言辞すべてが注解となるのか。
 対象は外なる世界なのか、作者の内側に取り込まれた世界なのか。
 注解しつつ詩として語る著者。世界はこの形式でしか語りえないのか。

○ボン書店の幻
 内堀 弘 ちくま文庫 2008-10
 ボン書店・鳥羽茂を追う著者の姿勢に感動。ノンフィクションでありながら、詩情を感じる文章がすばらしい。著者の世界に吸い込まれながら読みました。

○Twitter社会論
 津田大介 洋泉社新書227 2009-11

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