« ポエトリーカフェ参加の記 第2期の2 (村野四郎) | トップページ | ポエトリーカフェ参加の記 第2期の4 (大木実+Pippoミニ朗読ライブ) »

ポエトリーカフェ参加の記 第2期の3 (安西冬衛、北川冬彦)

 Pippoさん主催のポエトリーカフェ(略してポエカフェ)第2期も3回目を迎えた。今回の課題詩人は、安西冬衛と北川冬彦の二人(Pippoさんによる当日の様子はこちらで)。第2期としてははじめて二人を一緒にとりあげる回。以前より時間が30分長くなったとはいえ、うまく時間に収まるかなと、やや心配しながら会場に向った。以下、月一度のポエカフェ参加記。おつき合いいただければ幸甚。

 まず、おどろいたのは参加者17名ということ。第1期の特別編だった鎌倉での回を除けば最大参加者数だ。新しい方も5名おられる。さらには第1期第1回に参加した方もおられる。ポエカフェを通してのつながりが、着実に広がっていることを感じる。

 それにしても、作品数も多く、全体に目を通そうとするだけで気が遠くなるような二人だ。いつもある程度は読んでから参加するようにしているが、今回ほど、たいへんだったことはない。もちろん、その大変さも楽しみのうちであることは言うまでもない。ただ、二人とも詩集を確保するだけでも大変だった。幸い安西冬衛は、隣市の図書館に全集が別巻1冊を除きそろっていた。北川冬彦も、全詩集が行くことの出来る範囲の図書館にあった。

 いつもは、自分なりに課題詩人をとらえるためのきっかけになるようなことを考えて参加するのだが、今回はともかく目を通すことで終っての参加となってしまった。二人の作品に圧倒されながらの参加といったところか。しかし、こんなときこそ、ポエカフェの解説や参加者のみなさんの発言がほんとうにありがたいのだ。

 今回も第2期になってから導入された「朗読くじ」で全員が引き当てた詩を朗読していくのだが、朗読した後、Pippoさんが朗読した方に感想を聞く。始めて読む方も多いのだが、その方の感想がとても興味深い。さらに、それをきっかけとして、けっこう盛り上がる。(今回は盛り上がりすぎて、時間が心配になる場面も。Pippoさん大変だったと思う。)

 見方によって、ほんとうに様々な意見があると思うが、今もこの二人の魅力は何だろうと考えている。実は、二人それぞれに、かなり魅力を感じている。それが何なのか、未だにはっきりと言えない部分が多い。安西冬衛は、全集を読んでいきたいとも思っている。北川冬彦も、少し時間をおいて全詩集を再読したい。

 安西については、日本語の使い方の独特さに惹かれている。使われている漢字に振り回され、辞書を横に置きながら読んでもいた。それこそ安西の術中に嵌っているのではないかと思う。しかし、おもいきって嵌ってもいいかと思わせるものがある。その詩語の世界から立ち上がって来る、さまざまなイメージ。それは決して誰もがここちよく美しく感じるものではないかもしれない。しかし、彼の描き出そうとしたイメージの世界の向こうに何があるのか、また、そのようなイメージを紡ぎ出す、安西の日本語にとても興味をかき立てられていることは間違いない。

 北川冬彦は、映像にかかわる仕事をしていた。戦争中も、その方面の仕事で徴用されている。彼の詩を読んでいると、映像が浮かび上がって来る。「ラッシュ・アワ」という詩は「改札口で/指が 切符と一緒に切られた」という短いものだが、改札口で駅員がリズミカルに、そして無機質にたてる、改札鋏がその音とともにクローズアップされて来る。また、今回は取り上げられなかったが北側自身が長編叙事詩と言っている、詩集『氾濫』に収められた5篇の詩は、そのまま映像化できるのではないかと思わされる。

 同時代に活躍し、時代別の詩の本などでもいっしょにされていることの多い安西と北川。参加してみて、あらためて一緒にとりあげてもらい、良かったというのが偽らざる実感。二人の生涯をいったりきたりしながら、並行して生涯を説明し、詩が紹介されていく。そこに違う味わいの詩を同時に読んでいく面白さがあった。そこから、二人の詩を考えるきっかけをもらったように思える。

 最後にあらためて課題と感じたことを書いておく。長生きした近代詩人がとりあげられる際に、いつも気になることに戦争詩のことがある。それまでの作風と全く異なる形の戦争詩を量産した安西。戦争期に、やはりそれまでの作風とは異なる詩を書いた北川。北川の場合は、戦争詩ではなく、あまりにも平凡?ともいえるような作品。戦争詩を書くのではなく、あえてそのような形の詩を書くことで、抵抗していたのだろうか。それにしても、戦後の安西が、戦争詩のことなど知らぬとばかりの活動していくのにも驚く。ただ、それだけで安西を否定しようとは思わない。むしろそれぞれの戦争期の活動から何を見ていくことができるか、刊上げ続けることが必要なのかと思っている。

|

« ポエトリーカフェ参加の記 第2期の2 (村野四郎) | トップページ | ポエトリーカフェ参加の記 第2期の4 (大木実+Pippoミニ朗読ライブ) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/526399/52123005

この記事へのトラックバック一覧です: ポエトリーカフェ参加の記 第2期の3 (安西冬衛、北川冬彦):

« ポエトリーカフェ参加の記 第2期の2 (村野四郎) | トップページ | ポエトリーカフェ参加の記 第2期の4 (大木実+Pippoミニ朗読ライブ) »