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ポエトリーカフェ参加の記 第2期の7 (竹久夢二)

 秋晴れの10月29日、都電雑司ヶ谷駅に集まり、雑司ヶ谷霊園散歩から今回のポエカフェは始まった。広い雑司ヶ谷霊園の中を、Pippoさんと雑司ヶ谷在住の石丸元章さんの案内で歩く。直前に作成されたというポエカフェ2周年記念の旗が目印。夏目漱石の墓石の立派さに驚いた後、夢二の墓に向かう。有島生馬の筆になる「竹久夢二を埋む」とだけ刻まれた小さな墓石と、やや風雨にさらされた感のある白い木製の案内板がひっそりとある。通路にある案内がなければ、見落としてしまうかもしれない。

 その後、会場のKAKKAcafeさんに向かう。弦巻通りの赤丸ベーカリーさんで参加者一同、パンを購入するというイベントもあり、楽しく散策。途中、旅猫雑貨店さんには夢二の小物が置いてある。夢二のデザインは、今でも人気があることをあらためて確認。しかし、詩人としての夢二がどれだけ知られているかと思う。

 今回会場を提供してくださったKAKKAcafeさんに到着後、それぞれに飲み物や軽食を注文した後、ポエカフェ本編の開始。(手作りジンジャーエールとチリビーンズおいしかったです)

 夢二の生涯と作品がPippoさんによって紹介されていく中、参加者の方々から、今回も活発な発言がある。盛り上がる中、予定時間を超過してのポエカフェとなった。その中で印象に残った言葉があった。それは「共感」という言葉だ。ポエカフェに何回も参加されているKさんからの言葉だった。

 今回のおポエカフェに際し、ある程度、作品に目を通したのだが、印象に残っていたのは、既存の小唄等、それまでに庶民の間で歌われてきたものをリライトして発行しているものの数の多さだった。第1詩集と言われる「どんたく」にも『絵入小唄集』と副題がつけられている。そこで使われていることばは、市井の人々との「共感」を土台としているのかもしれないという思いが、この時頭をよぎった。

 参加された石丸さんも「制御と抑制のきいた作品群」というようなことを言っておられたと思う。自分の魂の叫びをあからさまにぶつけるのではなく、「共感」を土台にことばを紡ぎだしていったのが夢二なのだろうか。その『共感』の背後には『哀しさ』ともいえるものがあるのだろう。

 詩集『青い小径』にみられる夢二。『たそやあんど』の夢二。洋風の少女のあこがれとなるような世界を紡ぐ夢二と、三味線の音が聞こえてくるような世界にいる夢二。一見すると、まったく違う世界だ。しかし、その底に自分を取り巻く世界や時代との「共感」があるように思える大正時代という、日本的なものと自由が入り交じった時に、夢二は自らのアンテナに感じるものをとらえ、紡ぎだして行ったのだろうか。あまりにも多才であった夢二。敏感なアンテナを持っていた夢二。それゆえに、時代に受け入れられた夢二なのだろうか。

 今回のポエカフェに参加してみて、夢二はどこに行こうとしていたのだろうかという疑問が、ことさら強くなっている。最初の画集「春の巻」の序で『私は詩人になりたいと思った。/けれど、私の詩稿はパンの代りにはなりませぬでした。』と書いた夢二がいる。売れて行く中で、夢二は自分の書きたい詩を書いたのだろうか。

 ここまで書いてきて、疑問ばかりが残っていることをあらためて自覚させられている。夢二をもっと知りたいと思う。とりあえず、まだ読んでいない「童話」や「童謡」から読んでいきたい。

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文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

「共感」を土台に...。
今おもうと、おそらく、持ち前のセンス、才と、
その視点が強力にむすびつき、あの熱狂的
支持にむすびついたのかなぁ、と。

と、どうじに「芸術」というより「商業」
というみられ方にも、
つながってきたのかもですね。

夢二の作品をいろどる、
「哀しみ」「はかなさ」「さびしさ」
こそ、咲きそめた花々、しぜんな
発露だったのかもしれません。

投稿: Pippo | 2011年11月 3日 (木) 19時31分

Pippoさん、コメントありがとうございます。あの場で「共感」という言葉を聞いたとき、それまでぼんやりと感じていたものを言い当ててもらったような気がしました。おっしゃるように、多才さとの結びつきが「商業」という評価につながったと思います。その「共感」に生きる道をどうして選んだのかと疑問はつきません。(答えはないのかもしれませんが)

投稿: グレアムペンギン | 2011年11月 3日 (木) 20時19分

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