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ポエトリーカフェ参加の記 第2期の11 (室生犀星)

 詩姫Pippoさん主催のポエトリーカフェも、ついに第2期のファイナルとなった。ゲストに漫画家のいがらしみきおさんをお迎えして3/24に開催された。30名といういつもより多い定員のため会場はKAKKAcafeさんの入っているビルの地下にあるカルチャー教室でも使えそうな場所。(地下まで美味しいものを運んで用意してくださったKAKKAさんに感謝。しかも今回も特別メニューあり!)

 机もだされ、いつもとは違う雰囲気で始まったポエカフェ。しかし、Pippoさんが話しだすと同時に不思議といつものポエカフェ空間へと変わって行く。ただ今回は人数が多いので、参加者の自己紹介は初めての方以外は、Pippoさんによる一言紹介。新しい方は10名。第1期第1回は5名。2年半弱でここまで浸透したポエカフェの広がりはすごいと思う。今回、第1回に参加された方も1名おられた。

 取り上げられる詩人は、参加者の間で残った大物という事で話題になった事もある室生犀星。いつもと同じスタイルで犀星の人生といっしょに詩が紹介されて行く。朗読くじも健在。ただ、人数が多いので、その中で当たりの人だけが朗読というスタイル。Piipoさんが犀星の生涯を紹介して行く中で、いがらしみきおさんが、思った事を語っていかれる。いがらしさんの視点が面白い。朴訥のようで熱いいがらしさんの語り口も人を惹き付けるものがあるように感じる。詳細はPippoさんがブログで書かれる事と思うので省略。なお、当日の写真はこちらにUPされている。参加者が発言する機会は人数の多さとゲストを迎えてということもあって、いつもより少ないが、それを補ってあまりある豊かな時間が流れて行く。時間はあっという間に過ぎて行き、後半は少し駆け足となった。

 そして第2部へ突入。いがらしさんが自作の詩をまど・みちおさんのまねで朗読される。これがまた良い味。でも最後の方はいがらしさんに戻っていたと思うのだが、それも気がつけばの事。すっかり、いがらしさんの詩の世界に包みこまれていた。Pippoさんも、いがらしさんの詩を朗読。これもまた良い。詩の本質についての議論へも話が向いて行く中で、あっという間に時間がなくなる。もっとこの時間が続けばと思うところでファイナル終了。第3期は、5月からとのことだが、まだまだ埋もれている詩人や取り上げられていない大物もいるので、期待は膨らむ。

 さて、犀星についてだが、少しだけ感じた事を記しておこう。もちろん浅学な者の感想という事でお読みいただきた。

 犀星に関しては、第1詩集である『愛の詩集』はじめ少しだけ読んでいた。印象に残っていたのは伊藤信吉編の『利根の砂山 上州詩集』だった。犀星が萩原朔太郎を前橋に尋ねた時期の作品を集めたものだ。なぜかは分からないが、初期の作品の方が好もしく思われた。その程度の感想で今回のポエカフェにのぞんだ。

 今回、あらためて犀星の一生を通しての活動を知ったのだが、その多作な事に驚かされた。のみならず、晩年にいたるまでの小説の多作さもにも驚かされる。ポエカフェ直前に『密のあわれ』を読んだが、これが晩年の作かと思われるような艶やかな作品だった。詩も今回紹介された『昨日いらつしつてください』におさめられた作品が心に残っている。私にとっては初期と晩年の作が心にかかることとなった。

 自叙伝として読める作品を繰り返し書いていたことにも驚かされる。老いても枯れない創作意欲と艶やかな作品。そんな一生を過ごした犀星の最後の『老いたるえびのうた』が心にあらためて刺さってくる。最後まで枯れなかった犀星が記した「悲しさ」は、あまりにも重い。

 まだまだ、犀星のほんの一部に触れたに過ぎない。打ち上げでの犀星に愛人がいた。それも家族には全く気づかれずにという驚きの発言もあったことだし、Pippoさん、もう1回犀星でポエカフェお願いします!(と書いたところで、4月14日にポエカフェリターンズとして犀星を取り上げるとの嬉しい知らせが!)

 それでも、ポエカフェ前から犀星の作品を読んでいく中で、いくつかの言葉が頭に浮かんできた。その一つが「もがく」という言葉。犀星は生きる事に一生かけて、もがくとでも言い得るような、精一杯の力を注いでいたのではと感じていた。今でも、そのような感じは残っている。しかし、そんな一言でくくれないものを今回のポエカフェに参加したことで、あらためて感じている。

 一人の人間の生き様を示すものとしての作品を多く生み出した室生犀星という人物に、さらに近づきたいという思いが深まっている。ファイナルの日からすでに1週間がたったが、少しずつ犀星の作品と犀星に関する本を読みつづけている。
 

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