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「反応しているのはどこなのだろう?」 ポエトリーカフェ参加の記 第4期の7 (尾形亀之助)

 1月26日の夕方、3ヶ月ぶりのポエカフェに参加すべく神田の伯剌西爾さんへ。今年最初のポエカフェだ。昨年の11月12月と2回連続で参加できなかったため、ポエカフェ飢餓状態で向かう。今回の課題詩人は尾形亀之助。第1期第2回&仙台特別篇で取り上げられて以来だ。その2回とも、参加したくもできなかったので、自分にとっては初めて。ポエカフェは、詩人との出会いの場。亀之助とどんな出会いが出来るのか少しドキドキしながら楽しみにして向かう。ちなみにブログの題名の7は、参加の回数。開催回数とずれたのがとても残念。

 ポエカフェの隠れた?楽しみは課題詩人にちなんだ特製フード。会場の伯剌西爾さんが今回用意してくださったのは亀之助の故郷で作られている「ずんだロールケーキ」。もちろん、コーヒーとともに美味しくいただいた。

 15名の参加者の自己紹介で会はスタート。自己紹介のお題は亀之助の生涯にちなんで「自分が無為に過ごした時期」についてとなった。皆さんの話しがとても興味深い。初めての方はもちろんだが、何回も会っている方も新しい顔をのぞかせてくださる一瞬だ。朗読くじによる朗読とその詩一言とともに、会の雰囲気を豊かにしてくれる。その朗読ではSさんの「ある来訪者への接待」の朗読に感銘。なんたって擬音?だけで綴られた詩なのです!それにしても、今回も新しい方が参加されているが、参加者の多様性が回を重ねるごとに増していくのは、すごいことと思う。

 亀之助の生涯については参加された「古書ますく堂」さんが、今回もうまくまとめてくださっているので、そちらをご覧いただきたい。(ますく堂さんのブログはこちら)それにしても、傍から見れば、何ともな生涯。出した詩集は3冊。それも最後の『障子のある家』は私家版で、後に全集を造ろうとした草野心平が、見つけるのに苦労したという話しが残っているほど。今回のポエカフェにあたり、都内の図書館で検索をしたが、かなり少ない部類に入る。ほとんど埋もれているように見えるが、それでも、亀之助に関する本は少しずつでも出版され続けている。亀之助を熱烈に愛する人々がたしかにいるのだ。

 その亀之助について感じていることを少しだけ。当日は、会場に向かう前、やっと借りることのできた全集(旧版)を携えての参加だった。現代詩文庫はすでに手にして読んでいたのだが、全集を借りられる図書館を見つけたので、会場に行く前に借りた。この段階で、すでに亀之助に惹かれていたのだろう。そして、1週間を経た今も、その全集を読み続けている。亀之助はブラックホールと、たしかPippoさんも言っておられたが、もしかすると私も吸い込まれそうになっているのかもしれない。どこに惹かれるのかと問われると返答に困るのだが、実は、その予感があったので,、少しドキドキしながらの参加だったのだ。

 今回も朗読くじで当たった詩を朗読したが、読み終わっての一言に詰まった。読んだのは『詩人の骨』。好きとか嫌いとかで言えば、好きとしか言いようがない。だが、どこがと聞かれると返答できない。独特のうねりを持ったことばの流れの中で、自分のうちの何かが反応しているのは確かなのだが、言語化できない。会場でも、朗読の後でそのようなことを言ったが、おそらく言語化すること自体を亀之助の詩が拒んでいるのかもしれない。かんたんに言語化して意味など与えないでくれと。

 ポエカフェ後も読み続ける中で、思い浮かんでいることがある。それは、亀之助にとってのリアリティーとは何だったのだろうかということ。亀之助にとってのリアリティー獲得の戦いの跡が亀之助の詩のような気がしている。最初は自らのあり方に抗いながら、ついには自らのあり方を前面に立てながら。今、一つの文章がひっかかっている。それは『障子のある家』の「後記」の〔父と母へ〕の最初の部分だ。そこには「さよなら。なんとなくお気の毒です。親であるあなたも、その子である私にも、生んだり生まれたりしたことに就てたいした自信がないのです。」とある。そこには、現代的な問いが含まれていると思うのは、私の勝手な思い込みかもしれないが…。

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