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「生き当たる」 ポエトリーカフェ参加の記 第5期の8(リルケ篇)

 3月22日に開催されたポエカフェ、課題詩人はライナー・マリア・リルケ。2月に続いてのドイツ詩人篇です。『マルテの手記』の著者としてご存知の方も多いでしょうか。予約も早々と定員をオーバーし、本編の翌週にはプチ・リルケ篇も開催されました。参加人数は、合計で23名になったとのこと。リルケの人気に、少々驚きました。

 会場は、おなじみの神田伯剌西爾さん。これまた恒例の詩人にちなんだポエカフェフードは、ザッハトルテ。今回も、美味しくいただきました。いつも用意してくださる伯剌西爾さんに感謝です。顔なじみの方、初めての方、それぞれに自己紹介をしながら、会は始まっていきます。今回のお題は、影響を受けたアーティスト、ないしはリルケと私。若い方から、思い掛けない名前が出たり、この時間もなかなか楽しみです。

 『初期詩集』から始まり、遺稿の中の『俳諧』までびっしりとプリントされたテキストを参照しながら、年譜にそってPippoさんの解説が始まります。(年譜については、古書ますく堂さんが、ブログで詳しくおもしろく紹介してくださっていますので、ぜひ、ご覧ください。)

 自己紹介の間にまわされた「朗読くじ」であたった詩を各自が朗読し、感想や疑問を発言していくのもいつものスタイルです。何があたるか、ちょっとどきどきしながらくじをひきます。予習していて、自分が好きな詩があたるのも良いのですが、どう読んだらいいのか悩むものが当たる時もあります。そんな時は、自分の番が回ってくるまで、頭の片隅で、読み方を考えています。でも、Pippoさんの解説も、皆さんの声もしっかり聞いていることは、申し添えておきます。というか、それが読み方の参考になることもあるのです。

 今回、あたったのは後期の詩から「ファネット・クラヴェル夫人に」でした。短い詩ですが2行目の「言葉の根に生き当たる。」の「生き当たる」に目が止まります。リルケにしては、とてもストレートな詩と感じます。リルケの行き着いた世界を垣間見せてくれるように受け取りました。それにしても、リルケの作品を読んでいると、いつか哲学書を読んでいるように感じてしまいます。そんなこともあって、以下はちょっとめんどくさい感想となりそうです。

 詩人としてのリルケにとって、「ことば」のもつ意味が重いことは当然でしょう。今回、資料の最初に挙げられた『初期詩集』からの詩も、言葉に関するものでした。リルケがとても深い交流をもったロダンが彫刻という制作物で、ひとつの世界を表現しようとしたように、リルケは彼の求める真の世界を彼の詩をもって表現しようとしていたように感じています。

 カソリックの世界に幼年期をすごし、その後、その世界に訣別したリルケ。『ドゥイノの悲歌』に出てくる「天使」も、キリスト教の天使ではないと語ったリルケ。宗教的背景を、自ら否定する中、それにかわる真実の世界を求めたのでしょうか。『時祷詩集』では、ゆれる思いが垣間見得るようでした。とはいえ、方向性はすでに見えているように思いました。

 配布されたテキスト資料にとられた詩も、リルケのひとつのものを求める歩みを跡付けるように思えました。最後には日本の俳句に興味をもっていたというリルケ。リルケの世界には、東洋的、いや日本的なものに通じるように感じられるところがあるかもしれません。

 しかし、予習を含め、リルケを読んでいて感じたのは、とても強烈な意志の存在でした。そのめざした世界が、個をこえる世界であったとしてもです。カソリック的文化の中で育ったリルケ。否定したとしても、絶対者の存在を知った者としての、思考があるように感じます。読んでいる中で、時にニーチェを思い起こすことがありました。

 そして、そんなリルケと向き合うには、こちらにもパワーが求められているようにも、わたしには思えるのです。今、マルテの手記を読みたいのですが、ちょっと態勢を整え直してからになりそうです。

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