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「読めてよかった!!」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の1 (原民喜篇)

 読みたいのだけれど、なぜか読めない。機会がないのではなくて、読む側の問題として、今は読めないという感覚を持たれたことはあるでしょうか。ちょっと間をおいてだけで読めればいいのですが、読みたい気持ちは強いのだけれど、なんとなく読めない、読まないままになっていることが、わたしにはあります。

 第6期ポエカフェのスタート回の課題詩人「原民喜」も、わたしにとっては、そのような一人でした。原爆詩人・作家として知られる原民喜、名前は知っていて、いくつかの作品にも接していたのですが、強く意識するようになったのは、ネットのテキストアーカイブである青空文庫に収録された時でした。調べたら、2002年1月1日に登録されています。随分、前のことになりました。

 原民喜は、どうしても原爆との関連で語られることが多いような印象です。わたしも、その印象に囚われていたように思います。今回の課題詩人が原民喜であることを知った時、ちょっと「どきっ!」としました。同時に、これは何が何でも参加せねばならないとも思いました。この機会をとらえて、先入観を捨てて読んでみようという思いが起きてきたのです。

 2ヶ月の間をあけての、久しぶりのポエカフェです。そんな思いを抱きながら参加したのですが、ほんとうに参加して、読むことができてよかったというのが、一番の感想です。今も机のわきには、図書館から借りてきた、青土社の『定本 原民喜全集』があります。時間を見つけては読み続けているところです。今回のポエカフェがなかったら、いつ読めたのだろうと思うと、ポエカフェ・Pippoさんありがとう!なのです。

 原爆との関わりから、『原爆小景』や『夏の花』がよく知られていると思いますが、それ以前の詩は、まったく印象を異にします。特に『かげろう断章』に収められた4行詩、5行詩に心惹かれました。非常に内省的方向性をもった作品と感じます。自然を題材としていても、外に広がるのではなく、内側へともどってくる視線を感じるのです。その奥に、真実なものを求めるように。

 そんな原民喜が、原爆に被災し、惨禍の目撃者とならざるを得なかったことに衝撃を受けるのです。有名な作家のところに行っても、自分では話ができず、奥様の貞恵さんが通訳?するような状態であったという、原民喜。時には、友人たちとグループを作ったり、左翼運動にも関わったりもしましたが、対人関係においては、とことん不器用だったのでしょうか。全集第4巻「別館」の月報には晩年に親しかった向井祐子さんの文章が載っていますが、そこには「生きて行く為に必要な最小限の言葉すら持ち合わせていらっしゃらなかった原さんは、」という文があります。

 そんな原民喜が、原爆の惨禍を語り伝えることを自らの使命と受け取ったというのです。ポエカフェでも話題になりましたが、カタカナでしかその作品は書きようがなかったのでしょう。その作品だけが、外へと向かう視点を持っているように感じます。

 自らの中に書くものがなくなったと思ったのでしょうか。多くの遺書を書き、しっかり準備をしたうえでの自殺を選んだ原民喜。もっと生きていてほしかったと思います。

 最近、今回の課題図書となった『原民喜全詩集』が岩波文庫から、初期短編集である『幼年画』が、サウダージ・ブックスから刊行されました。広く読まれて欲しいと切に思っています。

 ポエカフェの会場は急なキャンセルもあり、13名の参加でしたが、最初の自己紹介のときから、これまでの詩人はなじみがなくとも、原民喜は読んでいましたという、Tさんはじめ、皆さんの発言も興味深く、やはり「ポエカフェはいいな~」という感を深くしたのでした。

 いっしょに参加した連れ合いのアンジーも、とても感激して帰途につきました。じつは、申し込んでから作品を読んで、原爆関係の作品でショックを受けていたのですが、参加してよかった~!!としきりに言っておりました。まだまだ、語り合いたい思いを抱えて、時間は過ぎて行きました。

 最後になりましたが、会場の伯剌西爾の店長さんも広島出身ということで、帰りには紅葉饅頭のおみやげまでいただきました。用意してくださった特製フードのレモンケーキもおいしくいただきました。それにPippoさんからは、台湾旅行のおみやげのパイナップルケーキも帰ってから美味しくいただきました。日本で手に入るものより濃厚で、美味しかったです!

 次回は、すでに発表されているように『 高階杞一 リターンズ篇』とのこと、これも楽しみです。

 

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