« 「読めてよかった!!」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の1 (原民喜篇) | トップページ | 「詩でなかったら人に見せない迄だ」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の3 (八木重吉リターンズ篇) »

「響きをかんじながら」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の2 (高階杞一リターンズ篇)

 またまた遅くなりましたが、20日に開催されたポエカフェの参加記です。今回は高階杞一リターンズ篇。なんと現代詩人のリターンズ篇です。3年前、ご本人をお招きして開催されたポエカフェが懐かしく思い出されます。その時参加していた夏葉社さんが、絶版になっていた詩集『早く家へ帰りたい』を出してくださるきっかけともなった回でした。

 今回は、ご本人選による『高階杞一詩集』(ハルキ文庫)刊行もあり、課題本となっています。しかも20日は高階さんの誕生日だったのです。もしかして、今回もご本人の参加があるかもと期待しましたが、残念ながら今回はご本人の参加はありませんでした。でも、さまざまな感想が交錯する中での盛り上がりを感じる回となりました。盛り上がりのせいか、時間が足らず、最後は駆け足になりました。恒例の朗読くじも全員朗読はしましたが、すべてのくじを読むことができなかったほどです。

 でも、みなさんの感想を聞くことはポエカフェの楽しみの一つに間違いありません。自分だけで読んでいては、まず気がつかない視点からの感想に、ハッとさせられることが多いのです。今回の感想の中で、私個人として印象的だったのは若き詩人Sくんの読み解きでした。なんと詩集『春’ing』の同題の詩を前日2時間も考えていたとのこと!もっと聞きたかったな~!と今でも思っています。そこに書かれている時間の捉え方に、目からうろこでした。

 みなさんの感想を聞きながら思うのは、高階さんの詩の多層性です。それだけに、感想の幅もひろがるのでしょう。難解なことばは使われていないのですが、日常性とシュールな世界とがごくあたりまえのようにつなぎ合わされています。

 「家には誰もいなかった」、「キリンの洗濯」…、あげていけばきりがありませんが、不思議な世界です。キリンとはいったい何?と考えても答えはでてきません。何を示しているのかを考えるより感じて欲しいといったことなのでしょうか。

 『早く家へ帰りたい』は、その点で異質でしょう。自分の子どもの死を扱った詩集です。そのせいでしょうか、あまりにも散文的なストレートな表現です。そこに偽りはないと思います。偽りのなさが多くの人々にとどく力なのかとも思って読んでいました。この詩集へのKさんの評も、大いに考えさせられるものありでした。「反対意見でもいいですか」と始まったKさんの感想。とても貴重なものだったと思います。さまざまな受取り方があって当然と思います。詩を書くことへの根源的な問いも含んでいるように感じました。こんな意見を聞け、それをきっかけにしていろいろな意見を聞けるのは、ポエカフェならでしょう。この時間も充実した時間でした。

 今回の朗読くじであたったのは、『桃の花』から「杜子春」と「戦争」でした。時間の関係で一つになったので「杜子春」を朗読。じつは、予習で読んでいる中で、これが当たったらどうしようと悩んでいた詩なのです。なにせ、泰山とハローワークが一緒に出てくるのです。でも、そこに描かれた世界に、感じるものがたしかにあるのです。今回朗読してみて、あらためて好きな詩になりました。高階さんの詩は、声に出すことで、輝きを増すのでしょうか。すくなくとも、声に出す中でハッとさせられることがあるのです。

 ところで、前回の時の参加記で「作品が書かれている時間の幅は広い。しかし、数多い作品世界をつらぬいて聞こえてくる音があるようだ。そして、その音の響きと自分の距離を、今思っている。」と書きました。その距離感については「重なることも含めての距離感」とも。ポエカフェのまえに課題本を読んでいる時、あらためて距離感について考えさせられました。その中で「内側からの距離感」といったことばが浮かんできました。

 今回の参加を通じて、その思いは強まっているようです。自分と同じではない、でも詩の中に響いている音色に共鳴するものがある、そんなふうにも言えるかもしれません。そんな感じを抱きながらの参加でした。その音色は、存在の奥底で響いているようです。それは、高階さんの詩に感じる喪失感につながるものでしょうか。

|

« 「読めてよかった!!」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の1 (原民喜篇) | トップページ | 「詩でなかったら人に見せない迄だ」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の3 (八木重吉リターンズ篇) »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/526399/62378342

この記事へのトラックバック一覧です: 「響きをかんじながら」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の2 (高階杞一リターンズ篇):

« 「読めてよかった!!」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の1 (原民喜篇) | トップページ | 「詩でなかったら人に見せない迄だ」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の3 (八木重吉リターンズ篇) »