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「またリターンズはあるのかな?」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の5 (北原白秋・木下杢太郞篇)

 去る3月20日に開催されたPippoさん主催のポエトリーカフェ(ポエカフェ)は、通算80回目となる記念すべき会でした。1期目の途中から参加していますが、長い間参加していても、いつも新しい世界を見せてくれるポエカフェに改めて驚きを感じています。とても遅くなりましたが、その参加記をここに記しておきます。参加した会で、参加記を書けなかったのは翌日から発熱して、ダウンした1回だけ。実は、その1回こそ、今回取り上げられた二人のうちの一人、北原白秋でした。(「ちめんかのや」さんでの開催が懐かしいです)

 二人の詩人は北原白秋と木下杢太郎、白秋はポエカフェで4回目の登場です。杢太郞は2回目。もっとも二人とも、あちこちで顔を出している、ポエカフェ常連?の詩人です。でも、この二人を同時に取り上げるのは無謀ではと思いつつ(危惧しつつ?)会場に着けば、資料の多さに、確信?に変わりました。どうなることでしょう?

 恒例の自己紹介で始まるポエカフェですが、お題に沿って「杢太郞と私」で自己紹介。実は杢太郞との出会いは今のように詩人に親しむ前のことでした。体調を崩し伊東にある知人の別荘で短期間過ごさせてもらったこと時のことです。伊東の街を公衆温泉に行くために歩いていた時、杢太郞記念館に出会ったのでした。記念館で印象に残ったのは、杢太郞が晩年に描き続けた百花譜でした。杢太郞の詩については、まったく知識がない時のことです。販売されていた百花譜の絵葉書を購入し、良いものに出会ったという幸せな感覚を今も覚えています。一緒だった連れ合いのアンジーも、詩より絵の人として出会ったと自己紹介をしました。

 耽美派の双璧とも言える白秋と杢太郞、邪宗門で華々しくデビューし(実家の借金の返済を待ってもらえるほどの効果があったとか)、アップダウンはありながらも、多くの作品を残し、いまも名が残る白秋。それに比して、多くの詩を作っていた時期には詩集を出すことなく、後に、振り返るようにして詩集が出された杢太郞。詩人としての杢太郞は、白秋に比して、まったく埋もれた存在とも言えるかもしれません。

 でも、ここにきて岡井隆著『木下杢太郎を読む日』や、岩阪恵子著『わたしの 木下杢太郎』が刊行されたり、2月には岩波文庫の『木下杢太郎詩集』が復刊されるなど、木下杢太郎に関する動きが活発になっています。

 紹介された二人の生涯は古書ますく堂さんが、今回もうまくまとめてくださっているので、是非参照してください。最後がかなり駆け足になったのは、予測通りでしたが、この二人の日本語への感覚には、不思議な魅力を感じます。二人について、心に残るイメージを記しておきましょう。

 白秋の『邪宗門秘曲』などは、これでもかと言うきらびやかさです。朗読してみると、その音の魅力に、その南蛮趣味と相まって、強烈なインパクトだったことでしょう。後に童謡の世界で活躍する白秋ですが、音とリズムの詩人というイメージが残っています。今回のポエカフェではそこまで触れられませんでしたが、白秋の童謡世界も魅力的です。でも、それも最近は埋もれつつあるように聞くことがあり、残念な思いがします。

 一方、杢太郞は晩年の百花譜を見て思うのですが、本来は絵の人だったのではというイメージが残ります。若き日の願いが画家になることだったも資料にあったのですが、その所為というわけではなく、初期から晩年に至るまで、杢太郞の心に印象を残した世界を絵筆ではなく、言葉で描いているように感じているのです。杢太郞だけのことではないかもしれませんが、彼の詩に、ことさらにそれを感じています。

 また、杢太郞は太田正雄として医学者の顔を持ちます。その傍らでの文筆世界。彼にとってどのようなものだったのでしょうか。二つの道を行くについての鴎外とのやりとりもあったそうですが、杢太郞の生涯を追っかけてみたくなっています。幸い、全集と日記が私の住む市の図書館には揃っているので、ゆっくりと紐解ければと思っています。

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