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2016年8月

「惹かれるだけでなく」  ポエトリーカフェ参加の記 第6期の6 (三好達治篇)

 このブログ、最初は読んだ本のメモのつもりで始めたのですが、途中からポエカフェ参加記ブログとなっています。そのポエカフェにも、しばらく参加できない日々が続き、ポエカフェ欠乏症に陥っていた私でした。前回参加したのが、3月20日の北原白秋・木下杢太郎の会でしたから、なんとも長い欠席となりました。

 

 7月31日に開催されたポエカフェ三好達治篇。連れ合いのアンジーとともに、やっと来れた!これで少しは、欠乏症も良くなるだろうと思いつつの参加となりました。アンジーも「最近、詩が足りてない!」と言っていたので、思いは同じです。しかも三好達治、ポエカフェでは第1期2010年2月に丸山薫と一緒に取り上げて以来ですが、私もアンジーも、その時が初ポエカフェでしたので、懐かしい想いも加わり、わくわく一杯の参加となりました。

 広島大学大学院教授の、西原大輔先生をゲストにお招きしての会ということもあって、定員をオーバーの中、いつも通り自己紹介から開始です。自己紹介の間に、恒例の朗読くじが回ってきます。同時に、会場を提供してくださっている「神田伯剌西爾」の方が注文をとって回ります。恒例のポエカフェフードは、店長さんがケーキの仕入先に特注してくださった、柘榴と生クリーム添えのシフォンケーキ!もちろんアンジーと一緒に注文しました。(とても美味しゅうございました!)

 Pippioさんが三好達治の生涯を追っていく中、参加者が朗読していくスタイルはいつも通りですが、西原先生が適宜解説を入れてくださいます。西原先生の解説、軽快で素晴らしく、ご本人もツイートされていましたが、Pippoさんも熱弁。お二人の解説が呼び水になったのでしょうか、参加された方々からの感想やお話もふくらみました。

 Pippoさんが資料に載せた詩で、私も好きな詩が、研究者の間ではほとんど取り上げられないことにびっくりしたり、詩の中の視点についてのSさんの話(もっと聞きたかった)など、まだまだ話したいというところで、時間はきてしまいました。(三好達治の生涯については、古書ますく堂さんが、今回もブログでうまくまとめてくださているのでご参照ください)

 今回、三好達治の生涯で改めて印象に残ったのは、こどものころに天皇への崇拝が教えられたこと、陸軍の幼年学校の経験等でした。また、二十歳で俳句の実作が千句を越えていたことも。フランス文学に親しみ、ヴェルレーヌを卒論で取り上げた三好達治のもう一つの面がそこにあるように思えたのです。

 今回の資料でももっとも取り上げられた、第一詩集『測量船』。予習でも改めて読みましたが、くりかえし読みたくなる詩集です。資料に挙げられたなかで心に残ったは「鴉」や「草の上」でした。一般に有名なのは「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。/次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」という「雪」かもしれませんが、「鴉」や「草の上」は、それとはまったく異なる趣の作品です。『測量船』を読みながら感じるのは、作品世界の幅の広さでした。以降の作品では見られなくなるような作品世界が含まれているように感じています。

 みなさんの感想を聴きながら、頭の中は大忙しですが、それでも恒例の朗読が回ってきます。今回、当たったのは『大阿蘇』。モノトーンの絵が浮かび上がってきました。ベールが1枚かかったような、霞の向こうに静かに佇んでいる世界。そんな風に感じました。東洋的な世界が描かれているよう感じながら朗読しました。

 また、資料にも挙げられていましたが、「捷報いたる」に代表される「戦争協力詩」のことも、どうしても考えてしまいます。全詩集に再録されていない一群の戦争協力詩。『測量船』の世界との落差には、唖然とし、考えさせられます。戦後書かれた『砂の砦』。どんな思いで書いたのだろうと、考えさせられます。

 本編が終わって、しばらくぶりに2次会にも参加しました。西原先生もお忙しい中残ってくださり、楽しい時間です。そんな中、2回目の三好達治はどうでしたかと、Pippoさんから問われましたが、測量船の魅力に惹かれると同時に、まだまだ考えさせられる点が多いとお話ししました。戦争協力詩を含めて三好達治を読む中で、何か見えてくるものがあるのではと、思い続けています。

 

 

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