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2017年8月

「ゆっくりと」 ポエトリーカフェ参加の記 第7期の7の2(山崎方代プチリターンズ篇)

「ゆっくりと」

 ポエカフェは先月15日が第7期の最終回で第8期第1回は、9月と聞いていたのですが、なんと、7月の都留での開催に来られなかった方々を含め、山崎方代さんリターンズを求める声が多く、8月5日にさっそくのリターンズ開催となりました。開催のお知らせがありました。正式の告知を待っていようかとも思ったのですが、もしかすると申し込みが間に合わなくなる可能性があるのではと、TwitterでPippoさんに参加希望を出したところ、既に10人近くの方から申込みありとのこと、危うく間に合わなくなるところでした。山崎方代さんの人気恐るべしです。

 7月の会に参加しておられた方がわたしと連れ合いのアンジーを含めて半数近く。初めての方も2名おられる会となりました。都留での会をアレンジしてくださったCさんもいらっしゃいます。改めて感謝を述べました。Twitterでお名前を知っていても初めてお会いする方もいらっしゃいます。こんな出会いも楽しいものです。会場はいつもの神田伯剌西爾さんですが、通常営業もなさっているので、レジ脇の小部屋を貸切にしての開催となりました。ご自身も短歌を詠まれ、方代さんにもお詳しいと思われる方もおられます。とても参考になる意見を聞くことができました。

 資料は、都留での開催時と変わりはないのですが、Pippoさんの説明を聞きながら確認していくと、前回見落としていたような点にも気がつきます。もしかして、Pippoさん自身も少しバランスを変えていたのでしょうか。参加者とのやりとりの中で、改めて気がつく箇所もあります。特に、山梨にいた頃の方代さんの両親との関係や暮らしぶりが印象に残ります。そこから戦傷を負って引き上げてきてからの生き方がどうつながっていったんだろうと考えさせられます。右目を失明し左目も0.01の視力しかなくなった方代さん。父親も方代さんの出征中に死亡しています。のちに、両親の墓を立てることに熱心だった方代さん。故郷や家族への思いを考えさせられます。

 歌人としての評価は、かなり歳をとってからのことになりますが、自費出版した第1歌集『方代』を面識もない多くの知名人に贈呈し、会津八一からの葉書に大喜びする方代さん。鎌倉で建ててもらった小屋に来客があれば、方代さん流の仕方で、精一杯喜ばそうとする方代さんの姿もあります。不思議と支援者が次から次へと?現れてくる方代さん。何が人々を引きつけていたのだろと考えてしまいます。

 今回の朗読くじで当たったのは、第3歌集『こおろぎ』から取られたものでした。17首ある中から迷いながら次の二首を選びました。「なんとなく送ってしまった生涯を腕を拱いて見おくりたり」「暮れなずむ夜ともなれば鎌倉の世間へ出でて皿を洗います」です。前回心にかかった歌として「おのずからもれ出る嘘のかなしみが全てでもあるお許しあれよ」を挙げましたが、それと合わせて方代さんの生き方が嘘を越えて垣間見える歌ではないかと思って選びました。

 都留での会の参加記に「惹きつけられながらも、その理由が自分にもわからない。そんな状態が続いています。」と書きましたが、その状態はまだ続いているようです。そんな簡単にはわからないよという、方代さんの声も聞こえてきそうです。「おのずからもれ出る嘘のかなしみ」は、そんな簡単には捉えきれないでしょう。でも、もれ出てくるものが、じんわりと入ってくるように感じます。

 方代という名も「生き放題、死に方代」にちなんど言われていますが、じつはそれも本当なのかなと疑わせてしまうような方代さんに思えてくるのです。嘘を含めて山崎方代という生き方の中に方代さんが何を込めて歌い続けたのか、ゆっくりと受け止めながら味わいたいと思うポエカフェとなりました。そんな読み方が方代さんには、相応しいように思えるのです。

 今回のポエカフェで、第7記は終了となりましたが、前回の都留篇の付属?という形で通算の回数には含めないということでした。それで、今回の参加記の題名も「第7期の7の2」となりました。

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